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神戸 振作; 加藤 治一; 酒井 宏典; Walstedt, R. E.; 青木 大*; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦
Physical Review B, 66(22), p.220403_1 - 220403_4, 2002/12
被引用回数:9 パーセンタイル:45.24(Materials Science, Multidisciplinary)重い電子系反強磁性体UGa3(ネール温度67K)のGa NMRを常磁性及び反強磁性状態で測定し、ナイトシフトKの温度依存を求めた。静帯磁率の温度依存と併せて、K-静帯磁率プロットを求めた。このプロットの傾きは超微細相互作用定数に対応している。この超微細相互作用定数が常磁性状態と反強磁性状態では符号も逆転して大きく異なることを見出した。また反強磁性状態中でおきる40Kでの転移でも超微細相互作用定数が変化することも見出した。この超微細相互作用定数の変化は電子状態が大きく変化していることに対応しているが、このような大きな変化が見られた例は少ない。このことはこの反強磁性転移が何らかの電荷分布の大きな変化を伴なっていることを示している。
生嶋 健司; 青木 大*; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣; 大貫 惇睦
Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 226-230(Part.1), p.89 - 91, 2001/05
金属間化合物UGa(T=67K)の微視的磁性が、Ga NMR/NQR測定によって調べられた。われわれは、T近傍において異常なNQRスペクトルの変化を見いだした。常磁性状態の72Kにおいて、シャープな1本のNQRラインが、70Kで一次転移的に周波数が変化し、2本の共鳴ピークはほとんど温度依存性がない。これは、反強磁性転移点以下で、内部磁場が温度減少とともに単調に変化する通常の反強磁性転移と明らかに異なっている。この振る舞いは、反強磁性転移近傍で、Ga(4p state)サイトの電子状態が変化していることを意味しており、5f電子の波動関数の変化が混成を通じてGaサイトのMNR/NQRに反映しているのかもしれない。
生嶋 健司; 青木 大*; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣; 大貫 惇睦; 神戸 振作; Walstedt, R. E.
Journal of the Physical Society of Japan, Vol.70, Supplement A, p.31 - 33, 2001/05
金属間化合物UGaは、AuCu構造(立方晶)でT=67Kの反強磁性体である。われわれはGa NQRを用いて、この反強磁性転移近傍を詳細に調べた結果、以下のことが明らかになった。(1)転移点直上の70.5KでNQRラインが急激に変化し、Gaサイトが、2サイトであることを示唆している。(2)このときNQR周波数(電場勾配)も激変している。(3)63Kから70Kの間で、内部磁場が顕著に観測されていない。これらの結果は、明らかにこのUGaの転移が通常の反強磁性転移ではないことを示しており、四極子自由度が関係している可能性がある。さらに、磁場中におけるスペクトルには上記のような現象は見つかっていない。したがって、磁場依存性について詳細に調べる必要があるだろう。
筒井 智嗣; 中田 正美; 那須 三郎*; 芳賀 芳範; 本間 徹生; 山本 悦嗣; 常盤 欣文; 青木 大*; Winiewski, P.*; 大貫 惇睦
Journal of the Physical Society of Japan, Vol.70, Supplement A, p.34 - 36, 2001/05
UX(X=Ga, P, As, Sb, Bi)はいずれも2次元原子配列を持つ磁性体であり、UGaは強磁性体、そのほかの化合物は反強磁性体である。de Haas-van Alphen効果測定によりUGaのフェルミ面は3次元フェルミ面だけで構成されているのに対し、その他の化合物のフェルミ面は2次元フェルミ面で構成されている。そこで本研究では、これらの化合物の原子配列、フェルミ面と5f軌道との相関を調べることを目的としてUメスバウアー分光測定を行った。これらの化合物ではすべて磁気秩序状態で電気四極子相互作用と磁気双極子相互作用が観測された。いずれの化合物も核位置の電場勾配の主軸と磁気モーメントの方向は平行である。電場勾配の符号は、UGaが正,ほかの化合物が負である。これらの結果は、これらの化合物においてフェルミ面の次元性が原子配列でなく、5f軌道や磁気構造と相関があることを示唆している。